シカ・イノシシ問題を含めた鳥獣被害はまず、農作物・植林への経済的な損失が増大して中山間地域での農業・林業へ深刻な被害を与えています。
以前、この問題はローカルな各地域に限定された被害のように思われていましたが、日本各地で同時多発的・並行的・継続的に起こっていて日本全体に大きな影響を及ぼしているのが現状です。
野生鳥獣による生態系・農林水産業・生活環境等への被害が全国的に深刻化していることを受け、平成25年12月に環境省と農林水産省により「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」が打ち出され、その中で令和5年度までにイノシシと二ホンジカの生息数を半減させるという国の個体数管理目標が定められています。その目標に向け、捕獲数は着実に増加している一方で、捕獲した鳥獣の処理が大きな課題となっており、捕獲活動に支障をきたす大きな要因になっています。
捕獲個体の急速な増大は非効率な焼却処分や不適切な埋設処分につながる可能性が高く、焼却用燃料の消費量の増加と大気・水・土壌など周辺環境への負荷発生が懸念されており、特に現状では鳥獣保護管理法により搬出が困難な場合にやむを得ず認められている現場埋設が多くの場合行われており、埋設という名の山中放置がCSF(豚コレラ)の拡散の一因になっていると思われます。